異色と意外の科学者列伝

異色と意外の科学者列伝 (岩波科学ライブラリー)

異色と意外の科学者列伝 (岩波科学ライブラリー)

物理学を中心にした科学者評伝.ドイツとイギリスの19世紀に関する部分は大変参考になりました.19世紀ドイツは心理学誕生の舞台でもありまして,心理学が科学としての心の探究としてはじまった背景となる社会事情や文部科学行政などにかんする情報も得られました.

この本はふつーに読み物としても読みやすい.ラザフォードなんてそんなに知らなかったですから,大変興味深く読みました.テスラはむかし読んだ通俗本だと明らかにおかしな人だったので,この本を読むことである程度知識が補正された気がします.

以下,印象に残ったところをメモ.

  • ドイツにはハイテク研究と産業を結びつけるフラウンフォーハー協会というのがある.これは18-19世紀に活躍した光学の専門家フラウンフォーハーに由来する.彼はガラス職人としてレンズ磨きの技術を磨き光学の退化となった人物である.
  • 電磁気単位人物はドイツが支配的
  • 紀要はドイツで生まれたもの
  • 大学教員の業務に研究が正式に加わったのもドイツ.紀要はその一連の流れの中から生まれた.