「やや」匿名によるweblog

ロテ職人さんが臨床心理系ブログの匿名と実名の是非について書かれていました(【皆さんの】臨床系ブログ・実名か仮名か【ご意見は?】).わたしもかねてから書きたいことがあったので臨床系ではないですが少し.

このウェブログをはじめて,来月で1年になります.当初は,メルボルンにおける研究留学事情を紹介したいという動機で書きはじめたため,博士研究員であるということくらいを自己紹介に書きました.ただ,その時点ではくわしい専門分野までは書いていなかったのでかなり匿名性の高いものでした.

3月くらいから,考えるところがあり自分の専門分野と関わるエントリーを書くようになりました.わたし自身としては,この時点でこのブログを「やや」匿名でやるという意識になりました.まあ多少は特定されてもいいから,考えるところに忠実にいこうと思ったわけです.

そんなわけですから,このウェブログをみれば,わたしを知っている人ならひと目で特定できるしょうし,わたしを知らない人でもエントリーを参考にそれらしいキーワードでググればわたしの名前は引っかかってくるでしょう.そういう意味で「やや」匿名なわけです.あー,でも,わからない人はがんばって調べなくてもいいんですよ.

「やや」匿名状態で行っているので,エントリーの内容はかなり優等生的にしています.政治的に正しくないことはあまり書きません.変なおふざけをすると後で後悔をしそうな気が多分にしています.まあ,だからといって特に息苦しいとも思っていません.だれでもアクセスできる状態で公開する以上,やはり変なおふざけは避けた方が無難でしょう.そういう意味では変なことを書かないための良い安全弁として「やや」匿名は機能しているのかもしれません.

特定されてしまう程度に個人情報を出しているなら,いっそ実名でやればいいのかもしれません.なんでそうしないのかといえば,実名で行っている公式の役割からある程度離れた立場で書きたいからです.「やや」匿名には,社会的役割を背負っている人間がその立場のまま書いたのではなくて,あくまでもそういう役割から離れた私的な立場で書いてますよという主張が含まれています.仕事から離れて昔の友達と話す感覚というんですかね.もちろん仕事の話もしますがあくまでも私事(わたくしごと)のひとつだという認識です.まあ,実名を書いたところで,たかがポスドクなのでなんの意味があるのかしらんというのもありますし,ネット上にあんまり実名が飛び交うってのもあまり気持ちのいいものではありません.

あと,実名にするとひょいひょい余所様でコメントできないような気がすんですよね.まあ,いまでも大してしていませんが.はてなには有名な研究者が実名で議論を行ってるウェブログがいくつかあります.パッと読んだだけでは頭に入ってこないようなレベルの議論がなされるときもあります.実名だと変なことも言えず,かなりガチガチにせめぎあうなんてことになるのかなと想像します.もちろんそれはすばらしいことなのですが,わたし自身はもうすこしゆるーっとやりたいかなと思っています.基本的には余暇でやってるものなので.

最後になりますが,やや「匿名」でちょっとイヤなのはいつの間にかに知り合いが黙って見ていることですかね.なま暖かく見守られている気がします.まあ,いいんですけど.