我慢強さという武器

メルボルンは世界一住みやすい街です.そして,世界中からたくさんに人が移住する移民の街です.もちろん研究者の世界でも例外でなくて世界中から人が集まってきます.もちろんオーストラリア育ちが一番多いのですが,わたしのまわりの数十人くらいでもイギリス,ドイツ,インド,イタリア,クロアチアギリシャ,香港,韓国,日本,台湾,アメリカ,フランス,カナダ,アメリカ,スリランカ,あーもうめんどくさいからもうヤメってなくらいいろいろな国から来ています.

そんななかで国ごとに習慣の違いを反映したような特性がある程度かいま見られるのがやはりおもしろい.イギリスから来た人は仕事量としてバリバリやるわけではないけれど,質の高い仕事をします.ドイツの人はかなり丁寧.アメリカの人は押しが強い.韓国,日本はやっぱり変数をちょっといじりました,こつこつやってとりあえずかたちにしましたみたいな銅鉄研究が多い気がします.まあ,一国あたり1-4人程度のサンプルで何か言えるわけではないのですが.

そんななかで日本人としての武器は何かと考えることがあります.わたし個人の武器とは別に民族固有の文化や習慣から生まれてくる武器があるような気がするのです.

わたしが考えるに日本人の武器は我慢強さではないかと思います.とにかく時間をかけてやる,あきらめないでやる,こういうことに日本人は強い.静かに,外から見ると非常に淡々と,こつこつやることが得意な気がします.もちろん全員がそうだとは言いませんが,「継続は力なり」という言葉が尊ばれる文化に私たちは生まれ育ってきたことは誰もが認めるでしょう.

最近変わりつつあるとはいえ,長い就業時間もこの我慢強さのひとつの現れかもしれません.日本人の妊婦の出産時における我慢強さは世界的にも有名です.日露戦争も結局我慢で勝ったようなものですよね.

ウサギとカメではないですが,やはりこつこつやるのは長いスパンで見ると強いですよ.少なくとも生き残っていくということにおいては.