Netballer allowed to use breast pump

http://www.theage.com.au/news/national/netballer-allowed-to-use-breast-pump/2006/03/01/1141191721171.html (theage.com.auより)

女子プロスポーツ選手の授乳をコモンウエルスゲームでは全面的にサポートしちゃうからねという記事.

コモンウエルスゲームとは英連邦および旧植民地が集まってやるオリンピックのようなもので,あと2週間たつとメルボルンではじまります.はっきり言って冬季五輪なんかよりよっぽど盛り上がってます.

ネットボールというのはバスケに良く似たゲームで,女性のスポーツとしてオーストラリアではとても人気があります.土曜日の昼間とかシーズン中は結構たくさんテレビで放映されています.

こういう人気スポーツにも子供を持った女子選手がいるってのはとても勇気づけられることです.新聞記事にも,


「たとえ子供を持ったとしても選手がトップレベルで活躍し続けることを,この機会にはっきりとしめすことができるでしょう.どんなスポーツ選手でも,女性として望むことを選ぶ権利があるのです.私たちはそれを全面的にサポートします.」

という偉いひとの発言がありました.

これはスポーツだけの話ではないと思います.スポーツを銀行業務にしてもいいでしょうし,研究にしてもいいでしょう.どんな社会で活躍する女性にも,女性として望むことを選ぶ権利があるし,その上でキャリアを形成することが可能な社会になっていなくてはなりません.オーストラリアはこの点を少なくとも意識して,社会を変えていこうとしています.

子供を産むことは女性にしかできません.しかし,子供を育てるのは女性だけがすることではないのです.子供は社会で育てるものです.子育てをする人を社会としてサポートするという意識がなければ,現代社会での子育ては成り立ちません.それがなく,女性,特に母親にのみ過度な負担がかかるシステムが少子化を助長しているとわたしは考えています.

女性は子供ができるとやめてしまうので戦力にならない,あるいは,任期中に妊娠するなんてのは無責任だ,などと言う人が本当にいます.ものすごく幼稚で自己中心的な考え方です.個人的には,殴ってすむのなら改心するまで殴ってやりたいくらいです.まあそうもいきませんが.

子供を生むのはすばらしいことです.ただし,とても大変です.ですから,そのすばらしいことの裏にある大変さを周囲が手助けするのは,社会の一員として当然ではないでしょうか?人間の子供はきわめて未熟な状態で生まれてきます.母親だけでは育てることは決してできません.だからこそ,子育てはこれまで何万年も社会単位で行われてきたのです.それを念頭に置けば,今回の記事のように女性を全面的にサポートするのがわたしには当然だと思えるのです.