若者はなぜ3年で辞めるのか？

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

すでに今更という感じですが，若者と就職のはなしをする機会が多くなってきたのでの読んでみた．

オヤジたちはオヤジたちのための世界を作ってる．

なんてのは言うまでもなく当たり前のことなんですが，この本ではこの当たり前のはなしを，最近の若者の悲惨な現状や社会制度の変化を中心に筆者なりにまとめ分かりやすく提示している．

オヤジたちはオヤジたちのための世界を作ってるってことは，若者が搾取され，未来や希望を奪われることだと，若者の世代の一員である30代前半の筆者は声高に主張します．そういう意味では，オヤジたちへの非難でもあるし，若者たちへの警鐘でもあります．

実際，30代中盤から20代にかけての就職率はわるい．待遇もわるい．当たり前だけど給料もわるい．今悪いだけでなく，旧来の年功序列システムが崩れ，将来も悪いまんまであると筆者は喝破する．おまえたちはオヤジたちの給料のために今家畜のように働いている．でも，オヤジたちとは違って，おまえらがオヤジたちの代になってもおまえらは家畜のまんまなんだぜ．これが著者が若者に一番指摘したいことではないかと思う．

このひとの現象分析があらゆる職種に当てはまるかはわからないし，そもそも書かれていることを額面通りに受け取るのはやはり危険だろう．それでも，日本の経済を労働という面で支えてきた仕組みが機能不全を起こしていることだけは間違いない．つーか，人口における年齢分布をからだけでも，これまでの仕組みをそのまま機能させるのは不可能なのは明らかだ．

さあ，それでどうするかと言うことなんですけどね．それは別に書きましょう．