キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)

読んでいてものすごく恥ずかしくなる本です.

やりたくても出来なかったことをやってみたら,言いたくても言えなかったことを言ってみたらどうなるかを試してみたノンフィクション.標題のような,あえて別に言わなくても良いようなことや,やらなくても良いようなことを42才のフリーライターがいろいろ試していく.当たり前ですが,いろいろ失敗して,恥をかいたり,惨めな気持ちになったり,軽いもめ事に巻き込まれたりする.このときの気持ちが赤裸々に書かれていて,読んでいて身につまされるし,読んでいるほうまでなんかものすごく恥ずかしくなりました.

個人的に一番気に入ったのは,ポエトリーリーディングの章.自作の詩を朗読する会に参加するという試みなんです.最初その行為を(おそらくは)かなりバカにしており,実践することに死ぬほどの恥ずかしさを感じていたにもかかわらず,ポエトリーリーディングへの認識が徐々に変わってくるところがおもしろい.自身の経験を経て,詩を発表するってのはそんなに肩意地を張ったものではないという認識変化がおこり,やがて誘われるままに自分も発表したり聞きに行ったりするようになる.

なんつーんですかね,出会いに照れるなという箴言を思い出しました.