流れを読む心理学史

流れを読む心理学史―世界と日本の心理学 (有斐閣アルマ)

流れを読む心理学史―世界と日本の心理学 (有斐閣アルマ)

心理学史の教科書です.手に入る心理学史の教科書としてはもっとも読みやすく,手頃な値段なのではないでしょうか?内容としてはいわゆる典型的な心理学史の教科書に比べると多少物足りない気もしますが,それは本書特有の部分に多くの部分がさかれているからでしょう.

筆者お得意の心理学史論のところなんかは,これほど分かりやすく書いてあることなんて絶対にあり得ないですから,大変読む価値があります.また,心理学という学問の中だけから歴史を見るだけでなく,社会との関わりを重視した視点を提示したり,知能の歴史のようなトピックを絞ったはなしにすることにより,事実を並べるのではなくストーリーを伝えるような工夫もなされています.

個人的には歴史だとワイドショー的なくだらないはなしが好きなのでそういうのがもっとあると良かったと思ったら,おまけがwebにあるのね.至れり尽くせりです.