咬ませ犬

咬ませ犬 (岩波現代文庫―社会)

咬ませ犬 (岩波現代文庫―社会)

スポーツノンフィクション.咬ませ犬と呼ばれたボクサー,壁と呼ばれたブルペンキャッチャーなど必ずしも日の当たるところにいたわけではないスポーツ選手やスポーツに関わる人たちを主人公にした短編集です.わかりやすいかたちの輝かしい栄光はないけれど,誰もが作品の中ではものすごく輝いてかっこよく書かれている.お金とか名声とかそういう分かりやすいことじゃなく,何かを成し遂げること,プロフェッショナルとしてプライドを保つこと,信念をきちんと貫き通すことといった必ずしもお金には結びつかないような価値を大切にする人たちが書かれています.こういう人たちが実は本当にかっこいい人たちなんだとしみじみ思います.お金持ってたって別にそれだけじゃかっこよくないですからね.

こういうかっこいい人の話を読むのは本当に良い気分になります.背筋を伸ばして,胸を張りたい感じですね.