無犯罪証明書:ビザの取り方(2)

 ビザの取り方について以前エントリーを書きました(http://d.hatena.ne.jp/lateral55/20050225).本日,ひとつ学ぶことがあったので追加します.

 一年を超えてオーストラリアに滞在する場合には,それまで一年以上暮らした国すべてについて,犯罪記録を移民局に提出しなくてはなりません.

詳しい情報は
http://www.immi.gov.au/allforms/pdf/47p.pdf
です.

 また,オーストラリアの滞在が連続して1年を超える場合は,オーストラリア連邦警察からも犯罪記録を入手する必要があります.

詳しい情報は
http://www.immi.gov.au/allforms/pdf/1101.pdf
です.

ただ,書類を書いて出すだけかと思ったのですが日本のははけっこうめんどくさかったです.
オーストラリアのはちょこちょこと書類を書いて郵送するだけです(要,A$36).

日本の犯罪記録を日本で取る

 日本での名称は警察証明無犯罪証明と呼ばれるものです.日本国内で取得する場合には,都道府県の警察本部の担当部署が窓口になります(参考:北海道県警の情報http://www.police.pref.hokkaido.jp/guide/syoumei/syoumei.html).

 日本だと,身分と本籍が確認できるものと,必要性を証明する書類があれば,即日の発行が可能なところもあるそうです.ちなみに料金は無料.ただし,申請は本人が行わなくてはなりません(代理人不可).

 この代理人不可の制度のため,今回はけっこうめんどくさいことになりました.

日本の犯罪記録をオーストラリアで取る

 日本の警察まで行かなくとも,オーストラリアの大使館,領事館で申請が可能です.ただし,日本で申請した場合即日で発行されるものが,海外の場合2-3ヶ月かかるそうです.

 なーんだそれ,ビザの更新全然間に合わないじゃん,ってくらい遅いんで困りました(遅くて困ったのはなしは,まだ進行中なのでまた後日).申請には,パスポート,本籍の確認できる書類(日本の運転免許など),必要性を証明する書類(移民局からの手紙)が必要です.また日本国籍の長期滞在者は領事館に在留届を出しておく必要があります.料金は無料です.

 わたしは,この必要書類を出したらあとは日本で何とかなるのだと思っていました.でも,甘かった.この先がけっこう面倒くさかった.

 領事館で住所,氏名,申請理由などを,10分くらいで書き終えてやれやれと思っていたら,担当の人から変な厚紙を渡されました.

「じゃあ,この紙に指示に従って指紋を押してきてもらってください」

押してきてもらってってどこで?ここではダメなのか?などと思っていると,細かな説明が書いてある紙を見せながら,

「ここに指紋を記録してくれるところの電話が書いてあるから,予約してから行ってください」

と担当の人がいってくれました.指定先はオーストラリア連邦警察の指紋課というところ.場所は領事館の近くでした.

なんだめんどくせーなー.でも,できるだけ今日中にすましてしまおう.近くだし,指紋の記録なんて数分で終わるだろう.などと軽く思ったので,領事館から出てソッコーで電話しました.

 先方はでるやいなや,

 「Hello, would you hold, please? 」

です.やる気ないなー.そのあと,いくつかたらい回しにされた結果,指紋の記録はここではやってないと言われました.その上,指紋の記録は町の警察署でやってくださいとすごっくめんどくさそうに言ってくださいました.マジでやる気ないなー.いろいろ文句を言ってみたのですが,ここではやらないの一点張りなのでそこはあきらめました.

 でも,やらない訳ないので,10分ほどして同じ番号に電話をしてみました.

 またもや,

 「Hello, would you hold, please? 」

でした.やる気ないなー.今度は部署を指定すると新しいひとが電話に出ました.指紋の記録ができるか聞くと,もちろん大丈夫と答えます.なーんだやっぱりできるじゃないですか.で,今日行っても良いか聞くと,

「うーん次の予約は6月2日までいっぱいだよ.それでもいい?」

ってそんなわけないだろう.なーんで,指紋を記録するくらいでそんなにかかるんだ.でも,文句を言う気も失せたのでとりあえず電話を切って,近くの警察署で頼んでみることにしました.

 で,そんな日に限ってMelway(メルボルンの地図)を忘れてきたりするんですね.しょうがないから,領事館のある大きなビルの受付で最寄りの警察の場所を聞いてみましたが,いろいろ頑張ってくれましたが,分からない様子.そのときはイライラしたのでもう少しで怒鳴りそうでした.「おまえは警察の場所もしらんのか!受付失格だ」とここまで出たのですが,受付の人は悪くないのでした.まさに方向違いの怒り.

 どうもらちがあかないので本屋やニュースエージェンシーでMelwayでも見るかと探してみました.残念ながら発見できません.シティ周辺のまともな地図すら発見できませんでした.唯一,Flinders Laneに警察署があるという記述を見つけたのですが,細かい住所は分からないし,下手なところだと車が止められない.そんなわけで,あーめんどくせー今日は帰る.もうどうだっていいやー.となりました.

 車に帰るとダッシュボードに小さな地図がおいてありました.ラッキー.偉いオレ(でも,melwayわすれたのもオレ.小さな地図があることを忘れてたのもオレ).

 地図を見るとシティの北,Carlton に警察署があるようです.このへんなら車も止められるだろうと思って早速,ゴー!

 到着すると思いのほか小さな古い建物にちょっと引きました.大きさは民家くらい.しかも入り口は建物の裏側.非常にうらぶれた感じでした.

 慎重にうらびれた建物に入っていきました.入口のドアを開けると,6畳ほどのせまーいカウンターの受付がありました.照明は真っ暗.そして誰もいません.

 何度か声をかけると奥の方からヒトが出てきました.なんか良さそうなヒトです.ちゃんと人の話を聞いてくれます.このひとは信頼できそうです.

 で,指紋の記録ができるか聞くと

「No problem!」

とにっこり.すぐできるのか聞くと,今ひとりしかいないから,15分ほど待ってくれと言われました.やったー.大好きCarlton Police Station!

少し待っているといろいろなヒトが入ってきます.ちょっとやばそうなおじさん.英語がしゃべれないフィリピンのヒト.さらに,隣のおばさんが俺の車を傷つけたつかまえてくれとか騒ぐ3人組南アジア系なひととかがきて,なーんかこまったなあという感じです.狭い受付のまわりでそれをやられると,待っているわたしたちも居心地が悪い.やだなあ.

でも,10分も待つとさっきのヒトが来てくれて,奥の部屋で指紋を記録してくれました.こちらに気を遣ってくれて,終わったあとはお湯を用意して手が洗えるように配慮してくれたり,至れり尽くせりです.あーいい人に会えて良かった.チューのひとつ位してあげたいくらいです.男の人ですが.

てなわけで,指紋の記録を終えて領事館にとって返しました.で,指紋の記録を再提出,ずいぶん速いと驚かれました.いやー,頑張ったんですよ.だって,指紋の提出も本人がこないといけないとなるともう一日休まないといけないですから.

そのあとは家族に少しサービスして,Footscrayでベトナム料理と中華料理をTakeawayしてうちに帰りました.いやー終わりよければすべてよしです.

でも,指紋記録課はちゃんと仕事してほしい.また,そういう仕事を本当にしないのなら,領事館はきちんとそれを把握してください.

ほんとにこの国の行政は担当者の資質に大きく左右されることを再認識したのでした.まともなヒトにあたると,ホントに親切でスムーズに運ぶのに,そうじゃないともうどうにもならない.まあ,ダメだったときは,何回かためすと何とかなったりするのですが.

今日のお仕事

  • ビザ関連
  • 分散分析型実験
  • バイアス実験分析.相関分析の結果はかなり良い.でも,もうひとつ実験が必要.
  • Mの論文を読む.