Talk と Poster

 先週,オーストラリア内の研究者があつまる小規模学会に参加してきました.小規模とは言っても数百人は来てたんじゃないかなとと思います.

 学会発表にはTalk,講演形式の口頭発表とPoster, 文化祭の展示みたいに畳一枚くらいの紙にいろいろ書いて発表するものと大きくわけて2つあります.今回は規模がそんなに大きくないということで,全部talkでした.

 わたしの分野の場合,たいていPoster発表なので,Talkは新鮮でした.Talkの場合,良いものとひどいものの差が如実に現れるので発表する側としては少し気合いが入ります.幸いわたしのものにはみなさん興味を持ってくれたようでよかったです.第2外国語で一生懸命やってるとみなさん多少甘めに評価してくれるようです.そこがオーストラリアの良いところかもしれません.
 
 わたしは主催校に所属していたのですが,学会全体をみても成功だったと思います.小規模の学会だったので,わりとリラックスした,アットホームな感じで,とても良かったです.あまりぴりぴりしているとTalkがやりづらいですし.もちろんリラックスしているとはいってもきちんと議論はします.ただ,アットホームだからこそ,建設的な意見が出されますし,コメントも基本的に非常にフェアです.

 個々の発表を見ても,あまりひどい発表はなく,発表技法もみなさん(日本と比べて)うまい.導入でうまくジョークを使ったりするのは,ローカル学会だということを考えても,アメリカ人なんかよりもうまいかもしれない.質問も頻繁に出て盛り上がります.もっとも,ものすごいレベルの高い発表はあまりありませんでした.きっと,もっといい学会にみなさんとっておくのでしょう.

 ひどい発表がないというのは,比較的能力の低い参加者でもそれなりのものをもっていることを意味します.この低能力参加者の程度は,Talkで構成される学会が開催できるかどうかの鍵になります.残念ながら日本はひどい人が本当にひどい.能力のない人を淘汰するシステムがあまり機能していないのかもしれません.これは日本というシステム全体の問題かもしれません.途中で職業選択を変更するのが結構大変なことに由来するのだと思います.