論文に必要な最低限のレベル

今日,査読が回ってきました.残念ながら実証型の研究論文に必要な最低限のレベルに達していないと判断したので,rejectを提案しようと思います.IFがせいぜい2くらいの雑誌なので,ある程度かたちになっていたら,少なくともrevise and resubmitを提案するようにしています.しかし,今回はとてもそこまで達していませんでした.

わたしが考える実証型の研究論文に必要な最低限のレベルはそんなに高いものではありません.たったの3つ条件をクリアすれば最低限のレベルの達すると考えています.

  1. 目的と結論に整合性がある(リサーチクエスチョンに対し何らかの回答がある).
  2. 目的と照らし合わせ適切な方法が用いられている.
  3. 少しでもいいから新しい事実が含まれている(解釈だけでは不十分).

これさえ守って,適切なフォーマットで理解できる文章が書かれていれば,どこかの雑誌に必ず載せることができます.逆にこれが守られていなければまともな雑誌に載ることはないでしょう.

もちろん,良い研究をするためにはもっと目線を高くして考えることが重要です.うえの3つをクリアしても良い研究にはなりません.もっと別の要素が当然必要になります.下を見ていてもいいものはできません.

ただ,良い研究を目指してやっているんだけど,なんか思い通りに行かなくて結果がショボいということはよくあります.そういうショボいのをなんとか日の当たるところに出してあげるのも,それはそれで重要なスキルだと思うわけです.ほら,研究の意義なんてのは先験的には決まらないですから.