Spanglish

ヒスパニックのシングルマザーがロスアンゼルスのお金持ちの家に雇われる話，と書くと身も蓋もないんですが，上流と下流をうまく対比させて話を作っている．主人公は下流の方なのでそちらにあわせて話は進む．

成功してお金を持っていても幸せに慣れない上流である裕福層，それに振り回される使用人の下流層．そういうありがちな設定を用いながらも，とても暖かくいい話になっている．暖かい話でありながら，鋭く現代社会の問題点にもふれていると思います．鋭く見ている人のvalue systemにふれてくるところがあります．「幸せってなに」とか「価値って何？」ということを自然に考えさせるようにできている．ここのところが大げさじゃなくてとてもうまい．押しつけがましくもない．見事．

主人公を取り巻くほのかなラブストーリーもうまく手綱を引き締めてあってよい．ああちょっと残念だけどそうしてくれた方が見てる方としてはうれしいのよねというという絶妙なぐらいに料理されている．見終わった後の感じがとてもいい映画でした．

あと，Adam Sandlerが抑えめで，結構いい．