なぜ研究をするのか?:個人的動機付け

真理を見極めるために研究する,楽しいから研究する,負けたくないから研究する,生活のために研究する,出世のために研究する,どれも研究の動機としては良く出てくるものです.このうちのどれが,わたしの動機付けになっているのかと,会議中あまりにも暇なのでボーっと考えていました.

で,一番大きいのは惰性だなと思い至りました.今までやはりなんだかんだ言って切迫された環境にいましたから,新しいデータを取ってないと不安になるし,新しいプロポーザルがないと焦るし,投稿中の論文がないと落ち着かない.こういった感覚が抜けないんですね.なんつーか精神的に余裕がなくて貧相です.

でも,こういうのって大事だと一方で思うわけです.こういう感覚を失いたくないなあとも正直思いました.特に会議中に強くそう思いました(怒号のような発言をバックグラウンドに論文原稿を校正しながら).

あー,もちろん真理を見極めたいってのはあるんですよ.そうでなければ良い研究しようとか思いませんから.

もちろん楽しさもあります.ありがたいことに研究にまだまだ,小学生がプラモデルを作ったり,幼稚園児が砂場で穴を掘ったり山をつくったりするというレベルの単純な物作りの楽しさを見いだせています.実際,新しい実験の計画なんてのをたててるときはけっこう興奮します.新作のプラモを手にした小学生みたいなもんですよ.こういうのって年取るとあんまりないですよね.そう考えるとわたしは幸せ者なのかもしれないなと思っています.