キャップ

中学生の頃からかれこれ20年以上,たまには休みながら,走り続けています.もちろんメタフォリカルな意味ではなく,朝近所を走ったり,マラソンのレースに出たりしています.

ランニングはシューズがあればスタートできるスポーツですから,道具にこだわる必要はあまりありません.ただ,あると便利なもの,あるいはあると非常に楽になるものというのはあります.

その代表例はキャップ,すなわち帽子です.真夏の炎天下を除いて,帽子自体の競技への効果はほとんどありません.かぶったからといって速くなったり,遅くなったり,疲れなくなったりというものではありません.

キャップが与えてくれるのは,競技上の効果ではなく,社会関係上の効果です.

昨今の世知辛い世相を反映してか,いい年をした男がウロウロしていると視線が結構厳しいものがあります.昼間や夕方なんかに走っていると不審者扱いをされます.小学校や中学校のそばや,通学路なんかですとかなり露骨です.Tシャツ短パンで小学校のそばなら通ろうもんならかなり警戒されます.職務質問まがいのことすらされます.地域の特殊事情とわたしの外見的事情もあるのですが,やはり不審者あつかいはキツイです.イヤです.

昼間がダメなら夜にすればいいのかと言えばそうでもない.痴漢に間違えられたり,泥棒に間違えられたり,酔っぱらいに絡まれたりします.マジで.

ところが,ランニング用のキャップをかぶっていると余り不審者扱いをされません.運動をがんばっているさわやかな人だというあつかいをしてくれます.

また,キャップには匿名性を高める効果もあります.実際帽子をかぶるだけでその人の印象は変わりますし,視線が顔だけでなく帽子に向くので同定しづらくなります.あまり親しくない人に走っている姿を見られると少し面倒くさいですし,気恥ずかしいので匿名性があがることにもプラスの作用があります.

そんなわけでわたしにとってキャップは必需品です.もっとも,ベビーフェイスな人なら要らないかもしれないですが,こればっかりは愚痴を言ってもはじまらないですね.