仕事のペース

 博士研究員として働くわたしの仕事は研究をすることです.清掃員だったら清掃をするように,駅員だったら駅で働くように,研究員は研究をします.

 研究はつまるところ,アウトプットをだすことでひとまとまりになります.わたしの分野では,専門分野の雑誌に論文を書くことが基本的なアウトプットになります.わたしは一年で何本論文を書くかをペースメーカとして仕事をしています.

 大学院を終わってから,わたしは「1年で論文を2本」というペースを守ろうとしていました.これは,あるひとがアメリカでの大学院時代に「研究者として生き残る仕事の最低ペース」としていわれたものです.アメリカで20年近く前のことですから,現在のアメリカではもっと厳しいでしょう.でも,日本なら,このくらい出していけば生き残っていけると思っていました.

 ただし,論文は本数だけが重要なのではありません.質も重要です.というか本当は質がすべてです.しかし,論文の質を評価することはすこしでも専門がずれてしまうと非常に難しい.そのために,生き残るには数も重要になります.でも,とりあえず論文を出すだけなら,週2日仕事すれば何とかなります(しかもホリデーはきっちり休む).もちろん内容は問わずとりあえず出すだけです.でも,これではおもしろくない.生き残るためだけに研究しているわけではありませんから.

 「数を出した上で,ある程度の質を確保する.」日本にいたときはまず数を念頭においていました.その結果,作業をこなせば論文を書けるようにはなりました.次の段階は質の向上だと思っています.1年で最低2本,できれば4本を書きつつ,分野の最高レベルの雑誌,あるいは分野をまたがるとてもいい雑誌に1年に1回は出せるようにしていきたいと思っています.今このレベルの仕事はせいぜい2年に1回なので.

今日のお仕事

  • 注意同時性実験プログラム終了(バグ取りはまだ)
  • B の法則について調べる.
  • YT,PSの論文を読む.YTは焼き直し.PSはBの関連で役に立った.
  • 注意PSE実験分析