良い雑誌 良い研究

 仕事のペース(24/02/2005)の回で,「分野の最高レベルの雑誌,あるいは分野をまたがるとても良い雑誌に1年に1回は出せるようにしていきたいと思っています」と大きくでてみました(ちょっと後悔しています).良い雑誌を目指して仕事をしていると書くとなんかさもしい感じがするかもしれません.あるいは何かブランドに頼っているように見えるかもしれません.

 そういう点が全くないとは言いません.良い雑誌にでたらかっこいいだろうなあと正直思います.ただ,そこにあるかっこよさは雑誌の名前に由来するかっこよさ(だけ)ではないのです.

 一般的な傾向として,分野の最高レベルの雑誌には,学会を先導する理論を備えた研究,理論的なレベルで大きな発展をもたらす研究が載ることが多いです(例,わたしの分野だとJournal of Experimental Psychology).一方,分野をまたがるとても良い雑誌(例,Nature, Science )では,研究の新しい方向性を切り開くような新たな現象が報告されます.学会を先導する理論を提唱したり,新しい方向性を切り開く現象を発見したりすることは,研究者であれば,だれもが抱いている野望だと思います.その野望が研究社会のなかでうまく結実すると,良い雑誌に載るという成果が得られるのだと思います.

 ですから,良い雑誌に載ることは,良い研究をしていることを意味しています.もちろん,良い雑誌が良い研究だけを載せるわけではありません.また,良い研究が,かならず良い雑誌に載るわけでもありません.評価が低い雑誌に重要な知見が乗ることもあります.良い雑誌は,今までの理論的な枠組みからはずれたものを載せない傾向もあります.それでも全体として,質の高い研究を載せるのが評価の高い雑誌だと思います.

わたしも研究者ですから,学会を先導する理論を提唱したいし,新しい方向性を切り開く現象を発見したい(直球で書くと少し恥ずかしい).まあ,実際やってると,いろいろうまくいかなくて,もっと細々した3流の仕事ばかりになってしまうのが現状です.3流の仕事にもそれなりの価値はあると思いますが,わたしはやはりもっといい仕事をしたい.

 そんなわけで,「良い雑誌に載せたい」というのは,「良い研究をしたい+ちょっと虚栄心を満たしたい」というわたしの願望を分かりやすくまとめたものなのです.

今日のお仕事

  • 注意PSE実験1方法の執筆と見直し
  • 注意PSE実験2プログラム
  • HBの古典的論文をチェック

偉そうなはなしを書いたわりに,きょうは2chの里谷祭りに参加してしまいました.仕事はほとんど進まず.反省.